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【コース紹介】ツール・ド・フランス2022 その4(第16〜21ステージ)

ツール・ド・フランス2022のコース紹介第4弾、いよいよ最後の第3週です。

第1弾ではコース全体の概要と、デンマークでの開幕3ステージ

第2弾では第1週の残り六日間(第4~9ステージ)

第3弾ではアルプスと中央山塊の第2週(第10~15ステージ)

を紹介してきました。

 

 

第16ステージ(カルカソンヌ>フォワ, 179 km)

日付:7月19日(火)

スタート:カルカソンヌ(Carcassonne )

フィニッシュ:フォワ(Foix )

区分:丘陵

距離:179km

 

 

アルプスの一週間後はピレネーで。

3週目の初日は、カルカソンヌをスタートする丘陵ステージです。

噂されていた超級山岳プラトー・ド・ベイユはコースに含まれておらず、ステージ後半に二つの山越えをした後、フォワまで下ってフィニッシュします。

 

この日挑むのはポール・ド・レルス(Port de Lers )ミュール・ド・ぺゲール(Mur de Péguère )

前者ですら全長11.4km、平均勾配7%の登りで、かなりの坂ですが、後者はさらに厳しいです。

「ぺゲールの壁」の名の通り長さ9.3km、平均7.9%の登りの後半は勾配10%越えの区間が続き、最大で18%に達します。

ステージ優勝を狙う選手は、これら2つの刺激的な上り坂を手堅くこなす必要があります。

「壁」を越えるとフィニッシュのフォワへの道は20km以上の下りですが、下りの能力で差が付くような難しいものではありません。

 

 

ミュール・ド・ぺゲールは、2012年に初めて採用されて以降、2017年、19年にもコースに組み込まれ、今回で4回目です。

今回と同じようにフォワの街がフィニッシュだったのは、2017年の革命記念日、ワレン・バルギルがコンタドール、キンタナ、ランダを降して優勝したステージです。

ただその時は、ポール・ド・レルスはコースに含まれていませんでした。

 

一方2012年と2019年は、「壁」の前にポール・ド・レルスも走りましたが、フィニッシュは今回とは違っていました。

2012年のフィニッシュは同じフォワの街ですが、ミュール・ド・ぺゲールを下り切って、10kmほど平坦基調の道を走った後でした。

2019年はフォワの背後の山、プラ・ダルビス(Plat d’Albis )の頂上フィニッシュでした。

 

ピレネー初日の丘陵ステージですが、翌日から山頂フィニッシュ2連戦が控えているので、総合勢が積極的に動きにくい日です。

あるいは、逃げ切りが濃厚なステージとも言えます。

上に挙げた過去3回はコースが微妙に異なるとはいえいずれも逃げ集団からステージ優勝が生まれているので、今回も期待が高まります。

 

 

第17ステージ(サン=ゴダンス>ペイラギュード, 130 km)

日付:7月20日(水)

スタート:サン=ゴダンス(Saint-Gaudens )

フィニッシュ:ペイラギュード(Peyragudes )

区分:山岳・山頂フィニッシュ

距離:130km

 

 

ピレネー山脈での山頂フィニッシュ2連戦、第1ラウンドです。

3つの峠を越えて、ペイラギュードの飛行場にフィニッシュする130kmのステージです。

 

ピレネーの麓の町サン=ゴダンスをスタートし、コースのはじめ50kmほどは平坦です。

コース中盤にまず登場するのが長さ12km、平均6.5%アスパン峠(Col d'Aspin )

次いで8.2 km、5.1%ウルケット・ダンシザン(Hourquette d'Ancizan )をこなすと、レースは終盤に入ります。

 

 

サン=ラリ=スラン(Saint-Lary-Soulan )に到着した選手たちは、標高1580mの山を二つ、連続で登ります。

一つ目はヴァル・ルロン・アゼ峠(Col de Val Louron-Azet )

峠の西側、サン=ラリ=スランからの全長10.7km、平均勾配6.8%の登りは、東側のジェノス(Génos )からのルートと比べると勾配が少々緩いですが、それでも上り始めの2kmを除くと6%以上の勾配が続きます。

 

この日を締め括る難関は、ペイラギュード(Peyragudes )

ジェームズ・ボンドの映画で有名な山頂の飛行場まで、距離8km、平均勾配7.8%の坂道を駆け上がります。

過去3回とは逆となる西側からの登りで、それゆえ今までとは違ってペイルスールド峠(Peyresourde )を従えていません

しかし、ラ・サピニエール(La Sapinière )から先の超劇坂は2017年と同じで、わずか2.4km区間の平均勾配は8.4%。残り400mを切ったところで最大勾配は16%にも達します。

 

フィニッシュまで続く滑走路の直線的な急勾配区間で5年前、まさかの逆転劇が起こりました。

ファビオ・アルやロマン・バルデのアタックにマイヨ・ジョーヌクリス・フルームが反応できず失速。

バルデがステージ優勝しアルも2秒遅れの3位に入った一方で、フルームは22秒遅れた結果、わずか6秒差でアルはフルームから黄色いジャージを奪いました。

 

今大会三つ目の「飛行場フィニッシュ」で、再び波乱が起こるでしょうか。

短い距離にピレネーの有名な登りが詰め込まれた贅沢なステージです。

 

 

第18ステージ(ルルド>オタカン, 143 km)

日付:7月21日(木)

スタート:ルルド(Lourdes )

フィニッシュ:オタカン(Hautacam )

区分:山岳・山頂フィニッシュ

距離:143km

 

 

ピレネー山頂フィニッシュ2連戦の第2ラウンドにして、今大会の山岳最終決戦

ルルドからスタートするこの日もまた、その名の通り「重たい」コースです。

※lourd(es) はフランス語で「重い」という意味

 

143kmのコースに登場する山岳は3つ。

しかし、これらはいずれも登坂距離10km超え、平均勾配7%超え大変厳しい坂です。

最後の山岳バトルにふさわしい難関が、疲労のたまった選手たちに襲い掛かります。

 

 

三つの山の先陣を切るのがオービスク峠(Col d'Aubisque )

標高1709mを誇るピレネーの名物峠に今回はラランス(Laruns )から挑みます。

西側からの登坂は最も長く急なルートで、16.4kmもの距離をひたすら上り続けなければいけません。

平均勾配は7.1%ですが、特に中盤以降は常に勾配が8%を超え、休めるところのない登りが選手たちを苦しめます。

 

オービスク山頂からの長い下りの次は、ツール・ド・フランス初登場の峠です。

その名はスパンデル峠(Col de Spandelles )

標高1378m、全長10.3 km、平均勾配8.3%の上りです。

区間赤色か黒色に色分けされている通り、麓のフェリエ―ル(Ferrières )から頂上まで、常に勾配が6%を超えています。

オービスク峠と同様に足を緩められない長い上りがお披露目です。

 

そして今大会の山岳の大トリを務めるのが標高1520mのオタカン(Hautacam )

長さ13.6 km、平均7.8%の登りは山岳決戦を締めくくるのに十分な難易度です。

この山も前二つと同じで、勾配が緩くなることはありません

オタカムの上りが前回ツール・ド・フランスに登場したのは2014年。

その時はマイヨ・ジョーヌを着るヴィンチェンツォ・ニバリが圧倒的な力でライバルを置き去りにし、ステージ4勝目を挙げました。

 

先に書いたようにこの日の三つの登りはどれも長く、厳しい上りです。

シンプルに上り続けるだけなので、選手たちの純粋な登坂力ですべてが決まるでしょう。

最後の山岳ステージなので、総合上位に食い込みたいクライマーは積極的にアタックを仕掛けていかなければいけません。

総合優勝を狙う選手たちにとって失速は許されない大事な一日ですが、ここを乗り越えたからといってパリまで安泰というわけではなく…2日後が勝負の日です。

 

 

第19ステージ(カステルノー=マニョアク>カオール, 189 km)

日付:7月22日(金)

スタート:カステルノー=マニョアク(Castelnau-Magnoac )

フィニッシュ:カオール(Cahors )

区分:平坦

距離:189km

 

 

山岳ステージが終わり、総合系の選手にとっては移動ステージ。

それに対してスプリンターにとっては待ちに待ったスプリントのチャンスです。

 

過去2年間のツール・ド・フランスの第19ステージでは、山岳ステージと個人タイムトライアルの間の移動ステージとして、スプリンター向けのコースが設定されてきましたが、今回も同様のコンセプトのようです。

 

過去2年と同様に強力な大逃げが成功するのか、それともスプリンターが意地で大集団スプリントに持ち込むのか。

逃げ屋とスプリンターチームの間の熾烈な追走劇が展開されるでしょう。

 

 

第20ステージ(ラカペル=マリヴァル>ロカマドゥール, 40 km)

日付:7月23日(土)

スタート:ラカペル=マリヴァル(Lacapelle Marival )

フィニッシュ:ロカマドゥール(Rocamadour )

区分:個人TT

距離:40km

 

 

マイヨ・ジョーヌ争いの最終決戦であり、クロノマンにとって2度目のチャンス。

最終日前日の個人タイムトライアルがここ2年続いていますが、今回のコースは過去2年よりも長い40kmです。

 

全体的に平坦ですが、コース終盤に2つの上り坂があります。

マジェの丘(Côte de Magès )は全長1.6 km、平均4.7%。

ロスピタレの丘(Côte de l'Hospitalet )は長さ1.5km、平均勾配7%。

どちらも短いですが、それまで快調に走ってきた選手でも、上りでリズムを崩して失速する危険があるので要注意です。

 

 

40kmの孤独な闘いのあとで黄色いジャージを着ている選手が今大会の総合優勝者です。

2年前のサスペンスが再現されたら面白いのに…

 

 

第21ステージ(パリ ラ・デファンス・アレーナ>パリ シャンゼリゼ, 112 km)

日付:7月24日(日)

スタート:パリ ラ・デファンス・アレーナ(Paris la Défense Arena )

フィニッシュ:パリ シャンゼリゼ(Paris Champs-Élysées )

区分:平坦

距離:112km

 

 

例年より一日長い24日間に及ぶレースは、例年と同じパリのシャンゼリゼ通りでフィニッシュ。

1975年以来毎年ツール・ド・フランスの閉幕を迎えてきたシャンゼリゼ通りでは、今年もスプリンターによる最後の勝負が見られるでしょう。

さらに2022年は、男子のフィニッシュに先立って、第一回ツール・ド・フランス・ファム(女子ツール)もスタートします。

最後にパリの表彰台に登るのは誰なのか、すべては9ヶ月後に決まります。

 

 

ここまで全4回に分けてツール・ド・フランス2022のコースを紹介してきました。

コースの詳細も出場チーム、選手も明らかになってはいませんが、早くも来夏が楽しみです。