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【コース紹介】ツール・ド・フランス2022 その3(第10〜15ステージ)

ツール・ド・フランス2022のコース紹介、第3回です。

前回までで一週目のコースを紹介しました。

 

今回は第2週のコースを見ていきたいと思います。

大会も後半に向けて厳しくなっていきます。

※第一回(コース概要と第1~3ステージ)はこちら

※※第二回(第4~9ステージ)はこちら

 

第10ステージ(モルジヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ>ムジェーヴ, 148 km)

日付:7月12日(火)

スタート:モルジヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ(Morzine les Portes du Soleil )

フィニッシュ:ムジェーヴ(Megève )

区分:丘陵

距離:148km

 

 

ツール・ド・フランス2022の第2週は、アルプス3連戦で幕を開けます。

初日の第10ステージ、休養日明けの選手たちを迎えるのは、モルジヌとムジェーヴ、2つのスキーリゾートを結ぶ「丘陵」ステージです。

オート=サヴォワ県の息をのむような絶景が楽しめるこの日のコースは、続く2日間と比べると少し見劣りがしますが、選手たちの足を試すには十分な難易度です。

 

ムジェーヴはクリス・フルームが力の差を見せつけた2016年の山岳タイムトライアルのフィニッシュでしたが、今回の登りは通る経路が少し異なるうえに、より標高の高いムジェーヴの飛行場(Altiport de Megève )まで上り続けなければいけません。

 

ムジェーヴの飛行場は、2020年のクリテリウム・デュ・ドーフィネの第4、5ステージと同じフィニッシュで、レナード・ケムナ(ドイツ)とセップ・クス(アメリカ)がそれぞれ優勝しました。

登りの「頂上」は長さ19.2km、平均勾配4.1%を登った標高1382mのところに設定されていますが、そこから標高1460mの飛行場のフィニッシュまでさらに上り坂が続きます。

 

 

第11ステージ(アルベールヴィル>コル・デュ・グラノン, 149 km)

日付:7月13日(水)

スタート:アルベールヴィル(Albertville )

フィニッシュ:コル・デュ・グラノン(Col du Granon )

区分:山岳・山頂フィニッシュ

距離:149km

 

 

いよいよ2日連続のアルプス山頂フィニッシュ。

アルベールヴィルをスタートする第11ステージは、マイヨ・ジョーヌを手に入れる上で避けては通れない重要なステージです。

何しろ150kmに満たない短いコースに、いくつもの厳しい登りが待ち構えています。

 

まずステージ前半に登場するモンヴェルニエの九十九折(Lacets de Montvernier )は長さこそ3.4kmと短いものの、平均勾配が8.2%もある登りです。

しかし、これはまだまだ序ノ口。この後が本番です。

 

 

ステージの後半、真っ先に登場するのはル・テレグラフ峠(Col du Télégraphe )

麓のサン・ミッシェル・ドゥ・モリエンヌ(Saint-Michel-de-Maurienne )から11.9 kmかけて標高1566mまで登り、平均勾配は7.1%です。

さらにそこから息つく暇もなく、ル・ガリビエ峠(Col du Galibier )が襲いかかってきます。

「アルプスの巨人」の異名を持つこの山は、登坂距離17.7km、平均勾配6.9%

山頂の標高2642m今大会の最高地点であり、ここを先頭で通過した選手には、アンリ・デグランジュ記念賞(Souvenir Henri Desgrange )が贈られます。

 

ガリビエを越えた選手は30kmほどの長い下りをこなし、スキー場で有名なセール・シュヴァリエを過ぎて最後の山に挑みます。

 

このステージのトリを飾る山はル・グラノン峠(Col du Granon )

最後の最後に登坂距離11.3km、平均勾配9.2%の過酷な山道が選手の前に立ちはだかります。

山頂の標高は2413mで、これは2011年のガリビエ山頂フィニッシュに次いで史上2番目に標高の高いフィニッシュです。

 

ル・グラノン峠は過去一度だけツール・ド・フランスで採用されたことがありますが、それが1986年の第17ステージ。

グレッグ・レモンが「穴熊ベルナール・イノーを逆転して初めてマイヨ・ジョーヌを着用した日です。

レモンはそのままパリまで総合首位の座を守り切り、アメリカ人として史上初のツール・ド・フランス王者に輝きました。

 

今回も伝説のステージになるのでしょうか。

マイヨ・ジョーヌ争奪戦が熱を帯びてきますが、総合優勝を狙う上では決してミスの許されない一日です。

 

 

第12ステージ(ブリアンソン>アルプ・デュエズ, 166 km)

日付:7月14日(木)

スタート:ブリアンソン(Briançon )

フィニッシュ:アルプ・デュエズ(Alpe d’Huez )

区分:山岳・山頂フィニッシュ

距離:166km

 

 

7月14日革命記念日

フランス革命の発端となったバスティーユ牢獄襲撃が起こった日です。

ブリアンソンからアルプ・デュエズまでの166kmのコースは、1986年の第18ステージをほぼ再現しています。

つまり、前日のル・グラノン峠の山頂フィニッシュとこの日のコースは2日連続で、伝説のレースをオマージュしているのです。

 

1986年7月21日のレースでは、前日総合首位から陥落したベルナール・イノーが、チームメイトでマイヨ・ジョーヌを着るグレッグ・レモンとともにアタックしました。

アルプスの山道を一緒に走り続けた二人は、ラルプ・デュエズの山頂で手を取り合ってフィニッシュ。

レモンが初めてのツール制覇を確実にした一方で、イノーにとっては、キャリアで最後から2番目のツール・ド・フランス区間勝利になりました(その3日後、第20ステージの個人TTでの勝利が最後の勝利です)。

 

 

ブリアンソンをスタートしたプロトンはまず、2日連続の登場となるル・ガリビエ峠に挑みます。

ただし、前日と真逆のルートで。

平均勾配5.1%と「比較的緩やかな」登りですが長さが23kmもあり、流石は「アルプスの巨人」です。

山頂からは前日登ってきた道を麓まで一気に下ります。

 

サン・ジャン・ド・モリエンヌまで下ると、次に待ち構えているのは、ラ・クロワ・ド・フェール峠(Col de la Croix de Fer )

その名の通り「鉄の十字架」があるこの峠の山頂の標高は2067mです。

今回使用する登りは最も難しいルートで、登坂距離29km。平均勾配は5.2%に達します。

 

ラ・クロワ・ド・フェール峠を下りきったアルモン(Allemont /Allemond )からブール・ドワザン(Bourg d’Oisans )までの約10kmの平坦路を経て、選手が向かうのはこの日最後の難関です。

 

アルプ・デュエズ(Alpe d’Huez )

ツール・ド・フランス4年ぶりにこの伝説の峠道に帰ってきました。

標高1850mの頂上に至る長さ13.8km、平均勾配8.1%の登りには、全部で21のヘアピンカーブがあり、歴代の優勝者の名前が刻まれています。

 

アルプ・デュエズにまつわる迷信が二つあります。

「ラルプでマイヨ・ジョーヌを着た選手がツール・ド・フランスで優勝する」

「ラルプを制したものはパリでマイヨ・ジョーヌを着られない」

アルプ・デュエズの頂上で総合首位にいたのに最終的に陥落した例は、1978年のヨープ・ズートメルク、1987年のペドロ・デルガド、1989年のローラン・フィニョン、1990年のロナン・パンセック、2011年のアンディ・シュレックがいます。

逆にラルプ・デュエズで優勝し、その年の総合優勝も勝ち取ったのは、1952年のファウスト・コッピ、2008年のカルロス・サストレ、2018年のゲラント・トーマスのわずか3人だけです。

 

その2018年、既にマイヨ・ジョーヌを着ていたトーマスがラルプの山頂で勝利しました。

マイヨ・ジョーヌがラルプを制するのは前代未聞の快挙。

上記のジンクスのどちらが勝つのか私Jackieは不安でしたが、トーマスは黄色いジャージをパリまで守り抜き、見事初優勝を達成しました。

実現したのが後者で本当によかったです。

 

フランスにとって特別な一日に設定されたピュアクライマーのためのステージ

フランスの山男が輝くことはできるのでしょうか?

 

 

第13ステージ(ブール・ドワザン>サン=テティエンヌ, 193 km)

日付:7月15日(金)

スタート:ブール・ドワザン(Bourg d'Oisans )

フィニッシュ:サン=テティエンヌ(Saint- Étienne )

区分:平坦

距離:193km

 

 

第13ステージは難易度が低めのコースが設定され、いわゆる「移動ステージ」となる見込みです。

アルプスでの過酷な山岳バトルを終え、選手たちはフランス中部ロワール県の街サン=テティエンヌに向かいます。

 

この街には、ASサンテティエンヌという強豪サッカーチームの本拠地があります。

そのチームカラーは緑色で、愛称が "Les Verts" (レ・ヴェール)

緑色が大好きなこの街で争われるのは、もちろんポイント賞のマイヨ・ヴェールです。

 

フィニッシュは大集団スプリントが予想され、久々のチャンスをものにすべくスプリンターたちがハンドルを投げ合います。

厳しい山々を耐え忍んできたスプリンターの中で一番元気なのは誰でしょうか?

 

わずかな望みにかけて逃げ屋が飛び出すこともあり得ますが、スプリンターを抱えるチームとの追いかけっこに勝つのは至難の業でしょう。

しかし、万が一横風に見舞われた場合は...波乱の一日にならないともかぎりません。

 

 

第14ステージ(サン=テティエンヌ>マンド, 195 km)

日付:7月16日(土)

スタート:サン=テティエンヌ(Saint- Étienne )

フィニッシュ:マンド(Mende )

区分:丘陵

距離:195km

 

 

第14ステージも「移動ステージ」ですが、前日とは様相が異なります。

中央山塊が舞台のこの日は、高い山こそないものの、小刻みなアップダウンが絶え間なく選手を苦しめます

 

ロワール県(Loire )のサン=テティエンヌからオート=ロワール県(Haute-Loire )を経てロゼール県(Lozère )のマンドに向かうコースはアタッカー向きで、多くの逃げ屋がステージ優勝をめがけて飛び出すでしょう。

 

ステージ終盤、フィニッシュまで5kmを切って、ラ・クロワ・ヌーヴの丘(Côte de la Croix-Neuve )が登場します。

この坂は、1995年にツール・ド・フランスに初めて登場したときの区間勝者ローラン・ジャラベールにちなんで「ジャラベール登坂(Montée Jalabert )」とも呼ばれます。

全長3kmながら平均勾配は10.2%もある壁のような登りを終えると、フィニッシュまではわずか1.5kmの平坦路。

マンドの飛行場でだれが勝利を掴めるのか。

 

過去にコンタドール(2010)やフルーム(2015)がアタックしたように、ラ・クロワ・ヌーヴのきつい坂で総合勢が動く可能性も十分にあるので、注意しなければいけません。

 

 

第15ステージ(ロデ>カルカソンヌ, 200 km)

日付:7月17日(日)

スタート:ロデ(Rodez )

フィニッシュ:カルカソンヌ(Carcassonne )

区分:平坦

距離:200km

 

 

休養日前の日曜日。

フィニッシュのカルカソンヌといえば、今年のツールでマーク・カヴェンディッシュが伝説の選手エディ・メルクスに並ぶ通算34勝目を挙げたばかりです。

2022年のコースも起伏の少ない長距離平坦ステージで、大逃げではなく大集団スプリント向きといわれています。

 

 

休養日

日付:7月18日(月)

場所:カルカソンヌ(Carcassonne )

 

 

第二週が終わり、最後の休養日です。

ピレネーの過酷な山岳3連戦に備えます。

 

次回はピレネーの最終山岳決戦と注目の長距離個人タイムトライアルが待ち受ける三週目のコースを紹介します。

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