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【コース紹介】ツール・ド・フランス2022 その2(第4〜9ステージ)

ツール・ド・フランス2022のコース紹介の続き(第二弾)です。

前回はコース全体の概要とデンマークで行われる第1〜3ステージを紹介しましたが、今回は1週目の残り6ステージ、第4〜9ステージを見ていきます。

 

デンマークでの三日間を終え、移動日を挟んで本格的に「フランス一周」が始まります。

 

 

第4ステージ(ダンケルク>カレー , 172 km)

日付:7月5日(火)

スタート:ダンケルク(Dunkerque )

フィニッシュ:カレー(Calais )

区分:丘陵

距離:172km

 

 

フランスを走る最初のレースはフランス北東部、北海沿岸の地方が舞台です。

スタートのダンケルクもフィニッシュのカレーも海に面した街ですが、この日のステージが平和なスプリントステージになるかは怪しいです。

まず、フランドル地方西部ブーロネ地方(Boulonnais )にはいくつもの丘があり、小刻みなアップダウンがスプリンターを苦しめます。

また、ステージ後半には海沿いの道を通るので、海風を利用して攻撃を仕掛けるチームがあるかもしれません。

残り15kmを切って登場する白鼻岬(le Cap Blanc-Nez )は距離がわずか1.1kmながら勾配が6.5%もあり、パンチャー系の選手にとっては絶好の仕掛けどころです。

生き残ってフィニッシュ勝負に持ち込みたいスプリンターと、登りを生かして早めに抜け出したいパンチャーとの意地のぶつかり合いになりそうです。

 

 

第5ステージ(リール・メトロポール>アランベール・ポルト・デュ・エノー, 172 km)

日付:7月6日(水)

スタート:リール・メトロポール(Lille Métropole)

フィニッシュ:アランベール・ポルト・デュ・エノー(Arenberg Porte du Hainaut )

区分:丘陵

距離:155km

 

 

第5ステージはお待ちかねの「パリ~ルーベ」風ステージ。

2018年以来四年ぶりの石畳ステージは、レースの後半75kmに11か所、総距離19.4kmもの石畳区間が組み込まれています。

フィニッシュは4年前と同じルーベではなく、2014年以来8年ぶりのアランベールですが、パリ~ルーベの五つ星として知られるトルエー・ダランベール(Trouée d'Arenberg )は登場しません

また、11区間ののパヴェのうち5区間は、パリ~ルーベでもツール・ド・フランスでも使われたことがないということで、どの程度の難易度なのかはわかりません。

 

 

このコースで輝くのはパヴェ好きのクラシックハンターたちですが、総合系の選手にとっては試練の一日になります。

石畳の練習や下見などの事前の準備は欠かせませんし、当日万一ハプニングに見舞われた時は、チーム総出でサポートしなければいけません。

落車や機材トラブルが頻発するので、どの選手も注意深く走る必要があります。

 

今年のパリ~ルーベは雨の中の泥地獄でしたが、ツール・ド・フランスの石畳は砂地獄た泥地獄、どちらになるでしょう?

どちらにしても地獄間違いなしです。

 


第6ステージ(バンシュ>ロンウィ, 220 km)

日付:7月7日(木)

スタート:バンシュ(Binche )

フィニッシュ:ロンウィ(Longwy )

区分:丘陵

距離:220km

 

 

第6ステージはベルギーのバンシュを出発してフランスに戻ります。

ロレーヌ地方の街ロンウィまで国境付近を南下するコースには、アルデンヌ地方の起伏が登場します。

2017年の第3ステージと同じレ・ルリジューズの丘(Côte des Religieuses:1.6km、5.8%)の頂上がフィニッシュで、その時はペテル・サガン(スロバキア)がマイケル・マシューズ(オーストラリア)を上りスプリントで降して優勝しました。

 

 

五年前と異なるのは、レ・ルリジューズの丘の直前にピュルヴァントゥの丘(Côte de Puiventeux:800m、12.3%)があることです。

この「壁」のような劇坂の存在によってコース終盤がよりパンチャー向けになりました。

ピュルヴァントゥの丘で区間争いに向けた早めの動きが起こるかもしれません。

 

 

第7ステージ(トンブレーヌ>ラ・シュペル・プランシュ・デ・ベル・フィーユ, 176 km)

日付:7月8日(金)

スタート:トンブレーヌ(Tomblaine )

フィニッシュ:ラ・シュペル・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(La super Planche des Belles Filles )

区分:山岳・山頂フィニッシュ

距離:176km

 

 

2022年の最初の山岳ステージは、ヴォージュ山脈ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユの山頂フィニッシュ

10年前に初採用されて以降2014年、17年、19年、20年と採用され、今回が6度目の登場です。

5.9㎞、平均勾配8.5%の山はすっかりツール・ド・フランスに定着しました。


しかし、わざわざシュペル(Super )とかかれるだけあって、今回は「いつもの」登坂とはひと味違います。

ただでさえ厳しい上りの先に、急勾配の未舗装路区間(約1km)が3年ぶりに追加されました。

合わせて標高1140m、登坂距離7㎞、平均勾配8.7%、最大勾配24%の恐ろしい上りです。

 

 

未舗装路が初めて導入された2019年は、その未舗装路区間を越えた先の激坂区間(舗装路)でディラン・トゥーンス(ベルギー)がジュリオ・チッコーネ(イタリア)を振り切り優勝。2位に泣いたチッコーネはしかし、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)からマイヨ・ジョーヌを奪いました。

2019年以外の年も未舗装路こそ走っていませんが、毎回総合首位が入れ替わる波乱のステージになっています。


最初の山頂フィニッシュでいきなり大きなタイム差がつくことは考えにくいですが、ここでの成績は最終的な総合争いを占う大きな手がかりになります。


ちなみに、過去一度もフランス人のステージ優勝もフランス人によるマイヨ・ジョーヌ獲得も果たされていません。

一番惜しかったのは2019年のアラフィリップで、マイヨ・ジョーヌを着用してこの山を登りましたが、前述の通り山頂で黄色いジャージを手放してしまいました。

世界チャンピオンのアラフィリップや地元が近いフレンチクライマーのティボー・ピノ(グルパマFDJ)にステージ優勝とマイヨ ・ジョーヌ獲得を期待しています。

 

 

第8ステージ(ドール>ローザンヌ, 184 km)

日付:7月9日(土)

スタート:ドール(Dôle )

フィニッシュ:ローザンヌ(Lausanne)

区分:丘陵

距離:184km

 

 

ジュラ山脈を横切ってスイスに入国する第8ステージは、国際オリンピック委員会(IOC )の本部があるローザンヌにフィニッシュします。

翌日の山岳ステージと比べると登りが少ないので、クライマー向きのコースとは言えません

 

オリンピック・スタジアムへの上りフィニッシュ(4.8km、平均4.6%)は、前半2kmを登ったところで1kmの平坦な区間があります。

その直後、残り2kmを切ってから最大12%の急勾配区間が1kmほど続き、ラスト1km弱は緩斜面の上りです。

この短くて急な上りのレイアウトは、パンチャーが爆発力を発揮するのに最適です。

 

 

第9ステージ(エーグル>シャテル・レ・ポルト・デュ・ソレイユ, 183 km)

日付:7月10日(日)

スタート:エーグル(Aigle )

フィニッシュ:シャテル・レ・ポルト・デュ・ソレイユ(Châtel les Portes du Soleil )

区分:山岳

距離:183km

 

 

1週目の最終日は、スイスの街エーグルをスタートする山岳ステージ。

エーグルはUCI(国際自転車競技連合)の本部がある街ですが、意外とツール・ド・フランス初登場

このステージはアルプスが舞台ですが、今大会6つある山岳ステージの中で、唯一山頂フィニッシュでないステージです。

 

終盤に登場するモルジャン峠(Pas de Morgins )登坂距離15.4km、平均勾配6.1%の峠。登りの前半の方が勾配が厳しく、ヘアピンカーブが連続するジグザグな道です。

モルジャン峠の頂上(標高1377m)から5kmほど下った後、フィニッシュ地シャテル(標高1297m)へのラスト4kmは上り基調です。

 

 

第9ステージの上りはこれまでのステージと比べて格段に長く、高いです。ここから本格的な山岳ステージが始まる、とも言えます。

 

休養日明けのアルプス3連戦ほど厳しい上りではないので、総合争いよりもむしろ逃げ集団によるステージ優勝や山岳ポイント収集の戦いのほうが激しくなるかもしれません。

モルジャン峠やフィニッシュ前の緩い上りで、勝負に絡めるのは強いクライマーだけです。

 

 

休養日(モルジヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ)

日付:7月11日(月)

場所:モルジヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ(Morzine les Portes du Soleil )

 

 

第一週が終わり、選手たちは二度目の休養日を迎えます。

ちなみに、前日のフィニッシュ地のシャテルと選手が休養日を過ごす街(で翌日のスタートの)モルジヌは、レ・ポルト・デュ・ソレイユ(les Portes du Soleil:太陽の扉)というスキーリゾートの一部です。

 

この休養日が終わると大会は2週目に突入し、過酷なアルプス三連戦が選手たちに襲い掛かります。

 

というわけで、次回はツール・ド・フランス2022の第2週のコースを見ていきます。

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