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【コース紹介】ツール・ド・フランス2022 その1(概要+第1〜3ステージ)

ツール・ド・フランスのコース・プレゼンテーションが行われ、来年2022年大会のコースが発表されました。

 

グランデパール(Grand Départ )、つまり大会の開幕地は、デンマークの首都コペンハーゲンです。

もともとデンマークは今年(2021年大会)の開幕地の予定でしたが、感染症サッカー欧州選手権の影響で一年延期になってしまいました。今年の開幕地はフランス北東部のブルターニュ地方でした。

2022年大会が無事にコペンハーゲンで開幕すると、ベルギーのブリュッセルをスタートした2019年以来3年ぶりのフランス国外開幕ということになります。

 

今回の記事では、発表されたツール・ド・フランス2022年大会のコースの概要と、デンマークを走る最初の三日間のコースを簡単に紹介します。

 

 

ツール・ド・フランス2022 基本情報

回数:第109回

期間:7月1日(金)〜7月24日(日)

日数:24日間

ステージ数:21ステージ

平坦ステージ:6ステージ

丘陵ステージ:7ステージ

山岳ステージ:6ステージ

(うち山頂フィニッシュ:5ステージ)

個人タイムトライアル:2ステージ

休養日:2日

移動日:1日

総距離:3328km

スタート:デンマーク コペンハーゲン(Copenhagen )

フィニッシュ:パリ シャンゼリゼ(Paris Champs-Élysées)

 

スタート・フィニッシュなどをまとめておきました。

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コースの特色

デンマーク開幕と大会4日目の移動日

まず前述の通り、2022年のツール・ド・フランスコペンハーゲンで開幕し、最初の三日間をデンマークで過ごします。デンマークの開幕3ステージについてはこの記事の後半で詳しく紹介するので、ここでは説明を割愛します。

 

デンマーク開幕の影響で、大会4日目に移動日が設けられています。休養日ではなく移動日といったところでしょうか。ハンガリー開幕から移動日なしでシチリアに移動するジロとは大違いですね。※ジロも移動日が設定されました!

休養日が早々に訪れることや、例年より休養日が一日多いことによって調子を崩す選手がいないか心配です。

 

四年ぶりの石畳

プロトンがフランス入りして2日目の第5ステージはなんと、石畳ステージです。

2018年のミニ「パリ~ルーベ」ステージ以来四年ぶりの石畳ステージは、レース後半5kmに11区間19.4kmの石畳が詰め込まれています。

 

山岳ステージ

ヴォージュ山塊、アルプス山脈中央山塊ピレネー山脈がコースに組み込まれています。

山岳ステージ全6ステージのうち5ステージは山頂フィニッシュで、順にラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(第7ステージ)、コル・デュ・グラノン(第11ステージ)、アルプ・デュエズ(第12ステージ)、ペイラギュード(第17ステージ)、オタカン(第18ステージ)です。

また、第11、12ステージでは二日連続でガリビエ峠を越えます。

それ以外にも錚々たる峠や山が揃っていて、登坂力次第で大差がつきそうな厳しいステージが続くことは間違いありません。

 

タイムトライアル

今回は個人タイムトライアルが2回組み込まれています。

初日コペンハーゲンの13kmと、最終日前日の40kmで、合計53kmです。

初日は市街地のド平坦コース、最終日前日の方も終盤の二つの坂を除くと平坦基調なので、TTの得意なパワー系の選手が有利なようです。

 

ボーナスタイム

ステージのフィニッシュで上位3人に順に10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられ、総合タイムから減算されます。

中間スプリントでのボーナスや、2021年大会まで存在していたボーナスタイムポイントについての言及は今のところありません。

 

個人的な意見

パッと見た感じでは、バランスのいい編成だと思いました。

1週目が割とトリッキーに見えるので、気が抜けなさそうです。

二週目三週目は平坦、丘陵、山岳がまんべんなく配置されていて、飽きが来ないと思います。

 

 

 

史上最北!デンマークグランデパール

デンマークは当初の予定から一年遅れて、2022年にグランデパールを迎えることになりました。

ツール・ド・フランスデンマークを走ること自体が史上初ですが、ツール・ド・フランスがフランス国外から始まるのは3年ぶり24回目

また、グランデパールを迎えるのはデンマーク十か国目(フランスを除く)です。

「北欧のパリ」とも称されるコペンハーゲンの緯度は北緯55度40分30度で、これが史上最北のグランデパールになります。

 

ではなぜデンマークが開幕地に選ばれたのでしょうか?

デンマークと自転車ロードレースにとって(当初の予定の)2021年は節目の年だったからです。

1921年デンマークコペンハーゲンで自転車ロード世界選手権(当時はアマチュア選手のみ参加)が初めて開催されました。

その後もコペンハーゲンでは5回(1931、1937、1949、1956、2011)、ロード世界選が開催されてきました。

2021年は、第一回ロード世界選からちょうど100年、また、最後にコペンハーゲンで行われた世界選2011年大会からもちょうど10年という節目の年でした。

 

現在もデンマーク自転車大国で、グランデパールを迎える首都コペンハーゲン「世界一自転車に優しい街」とも言われています。

デンマーク公式の観光情報サイトを見ると、

・国民の7割、コペンハーゲン市民の9割が自転車を持っている

・一日に4万人がクイーン・ルイーズ橋(Dronning Louises Bro /初日の個人TTのコースに含まれています)を自転車で渡る

コペンハーゲン市民の44%が通勤通学の足として自転車を使っている

などといったスゴイ数字が並んでいます。

 

ロードレースの選手でも2019年の世界王者マッズ・ピーダスン(トレック)、今年の世界選手権3位のミケル・ヴァルグレン(EF NIPPO)、昨年ツール区間2勝のセーアン・クラーウアナスン(DSM)、ブエルタで大活躍だったマウヌス・コートニルスン(EF NIPPO)など、強い選手が数多くいます。

 

さて、デンマークを走る最初の三日間のコースを確認しましょう。

Twitterのコースマップです。

 

 

第1ステージ(コペンハーゲン>コペンハーゲン, 13 km)

日付:7月1日(金)

スタート:コペンハーゲン(Copenhagen )

フィニッシュ:コペンハーゲン(Copenhagen )

区分:個人タイムトライアル(ITT)

距離:13km

 

 

ツールドフランス2022の初日は、コペンハーゲン市内を駆け抜ける、13kmの個人タイムトライアルです。

函館の五稜郭と似た星形のカステレット要塞(Kastellet )人魚姫の像(Den Lille Havfrue )王宮アマリエンボー宮殿(Amalienborg Slot )など市内の観光地の近くを通り、最後は世界最古の遊園地として名高いティヴォリ公園(Tivoli )の前にフィニッシュします。

中継映像の中でこれらの歴史的な名所がいくつも紹介されることは間違いないので、とても楽しみです。

 

街中を走るためパンケーキのように」平坦なコースです。

コーナーが少なくないものの、鋭角な難しいコーナーや危険な障害物はほとんどなく、スピードを出しやすいそうです。

それゆえ大柄なクロノマン(chronoman ,TTスペシャリストのこと)が得意とする高速勝負になることが予想され、高いパワーで走り続けることと、空気抵抗を極力減らすことが鍵になります。

 

この日の優勝者が大会最初のマイヨ・ジョーヌを獲得するので、TTスペシャリストたちにとっては、ステージ優勝とマイヨ ・ジョーヌの二つを同時に手に入れる貴重な大チャンスです。

逆に総合優勝を狙う選手は、いきなりライバルに遅れをとることがないように注意しなければいけません。

 

ピーダスンやクラーウアナスン、ミッケル・ビョーグ(UAE)のようなタイムトライアルの強いデンマーク人選手が地元でマイヨ・ジョーヌを獲れるのか、注目です。

 

 

第2ステージ(ロスキレ>ニュボー, 199 km)

日付:7月2日(土)

スタート:ロスキレ(Roskilde )

フィニッシュ:ニュボー(Nyborg )

区分:平坦

距離:199km

 

 

スタートのロスキレはかつてデンマーク王国の都だった街で、ユネスコ世界文化遺産に登録されたロスキレ大聖堂には歴代の国王が埋葬されています。

 

ステージ前半、選手たちはフィヨルドに沿って丘を越えていきます。

スタートから90km以内に3つの山岳ポイント(カテゴリーは未定)があり、 今大会初めての赤玉ジャージの持ち主が決まります。

 

その後もプロトンシェラン島(Sjælland )を南下し、ステージ終盤残り20kmほどでグレートベルブリッジ(Storebæltsbroen )に差し掛かります。

グレートベルブリッジは首都コペンハーゲンのあるシェラン島とフュン島(Fyn )を隔てる大ベルト海峡にかかる18kmの橋です。ここで最も警戒しなければならないのは強い海風です。

 

横風区間で集団のペースが上がると、ついていけない後方の選手たちが遅れ、集団が分裂してしまいます。

そのためステージ優勝を手に入れたいスプリンターのチームは、ライバルを脱落させるために、積極的にペースアップを図るヌ争いで大きなハンデを背負わないように、リーダーを安全な集団前方で守り続けなければいけません。

 

橋を渡り切ってからニュボーのフィニッシュまでわずか3kmしかなく、最後のスプリントは強風を耐え抜いた精鋭スプリンターによって争われることになりそうです。

 

 

第3ステージ(ヴァイレ>スナボー, 182 km)

日付:7月3日(日)

スタート:ヴァイレ(Vejle )

フィニッシュ:スナボー(Sønderborg )

区分:平坦

距離:182km

 

 

デンマークでの最終日はユトランド半島(Jylland )東岸の街ヴァイレをスタートし、半島東部を南下するコースです。

ヴァイレの街は、同名のヴァイレ・フィヨルドの奥にあり、したがってステージ序盤から小刻みな起伏があります。

 

コース序盤に通過するイェリング村には世界文化遺産イェリング墳墓群(Jelling Mounds, Runic Stones and Church )があり、スプリントポイント(91km)が設定されているクリスチャンスフェルド(Christiansfeld )も、モラヴィア教会の入植地(Christiansfeld, a Moravian Church Settlement )として世界文化遺産に登録されています。

また、ステージ終盤には、夏の王宮グローステン宮殿(Gråsten Palace )の前を通過します。

 

この日も中盤までに小さな山岳ポイントが3か所設定されているので、地元デンマークの選手たちが敢闘賞や山岳ジャージを狙って逃げに乗ることが予想されます。

半島南部の街スナボーに向かうステージ後半は平坦で難易度が低く、前日とは違って強風の危険も少ないということで、総合系の選手にとっては比較的穏やかな一日になりそうです。

 

ステージ終盤も道幅が広く平坦な地形なので、スプリンターを擁するチームはスプリント列車を編成しやすく、世界のトップスプリンターが大集団スプリントでステージ優勝を争うと予想されます。

 

初日のタイムトライアルはそれほど長距離ではなく、前日は強風の平坦ステージ。

ひょっとすると着順次第では、ボーナスタイムを稼いだスプリンターが第3ステージ終了後にマイヨ・ジョーヌを着用することがあるかもしれません。

 

第3ステージを終えるとプロトンは早くも最初の休養日(移動日)を迎えます。

大会5日目の第4ステージからフランスでのレースが始まります。

 

第4ステージ以降のコースは追って紹介する予定です。

 

↓第4~9ステージのコースはこちらです↓

jackie-procyclingfan.hatenablog.com